ハワイアンカルチャーインフォ |

●フラ（フラ・ダンス）

ハワイといえばレイ（花輪）を首から下げたフラガールを、思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
フラとはハワイ語で「踊る」を意味した伝統的な舞踏です。
そういった意味では我々になじみの深い「フラダンス」という言葉は、実はダンスダンスというような意味になりますが、世界的にもフラ・ダンスと紹介されることはとても多いです。
フラには舞踏、詠唱、歌唱、演奏のすべてが含まれ、一つの物語をなぞることが多く、これはハワイの伝説であったり民話であったりすることが殆どです。
ですから事前にその内容の物語を知っておくことで、フラをより楽しむことが出来るでしょう。

●フラのなりたち

古代ハワイアンの祖先とも言われている、タヒチなどから渡ってきたポリネシア人たちが、神々にささげるために行ってきた儀式的な舞踏が、フラの原型とも言われています。
1820年にハワイに渡ってきたプロテスタントの宣教師たちにより、異教のものと断罪され一度はフラは根絶したかのように思えていましたが、伝統芸術を推奨するカラカウア王によって復活し、現在まで形を変えながらも受け継がれています。ハワイでは今日、現代フラとも言われる「フラ・アウアナ」というスタイルと、伝統的で古典的な「フラ・カヒコ」という二つのスタイルが主流となっています。

●古典フラ（フラ・カヒコ）と現代フラ（フラ・アウアナ）

古典フラはひょうたんやサメの皮で作られた、「イプへケ」と呼ばれる太鼓を叩き、踊り手が「ウリウリ」と呼ばれる石やココナッツ、ひょうたんなどで作られたカスタネットを使ってリズムをとり踊ります。
我々がふだん目にするフラダンスのイメージとは少し違う、宗教的な舞踏で、古くはハワイの神々にささげられたとされる宗教儀式においてのシャーマニックな舞踏でした。
対する現代フラは19世紀以降に入ってき海外の音楽や楽器などを取り入れ、南国的で楽しげな親しみやすい舞踏です。
ウクレレやハワイアンギター等を使用して行われる、元気でトロピカルな我々のイメージするフラダンスは、現代フラであると言えます。現代フラはハワイのホテルやレストランでのショーや、セレモニーでの出し物としてしばしば行われるため目にする機会も多く、国内外でもフラ教室等の流行により触れる機会の多い舞踏です。

●ウクレレ

ウクレレはポルトガルから持ち込まれた、ブラギーニャと呼ばれる楽器が起源とされ、ブラジル等にも同等の楽器が多数存在します。
ハワイ語で「飛び跳ねる（レレ）ノミ（ウク）」という意味を持ち、跳ねるようにかき鳴らす走者の軽快な指使いによるものとも、当時の有名な奏者のあだ名が由来だとも言われています。ヴァイオリン等の弦楽器と同じように、サイズが大きくなるにつれ音は低く、サイズが小さくなるにつれ音は高くなり、ソプラノからバリトンまでの種類があります。

●ハワイアンキルト

キルトとは布地の間に薄い綿を挟み込み、返し縫をした縫い物のことで、ハワイアンキルトとはハワイ独自の模様を縫い込んだキルトの事を言います。
通常キルトはパッチワークキルトに代表されるように、端切れ布を縫い合わせて模様を表現することが多いのですが、ハワイでは端切れ布を利用する習慣が無かった為、模様は大判の布から切り出したものを使い、綿を挟み込むのではなくアップリケのように縫い付けていきます。
四つ折りにした大判の布を切り絵のように切り出して、模様を作り出すため、左右上下対称の図案になることが多いです。
図案の模様モチーフは、ハワイアンの生活に基づいた身近なものや、動植物が多く、図案の中心部には穴が開かないデザインが好まれました。これは魂が穴から出ていってしまわないように、出ていった魂が行く先を失って彷徨う事が無いようにとの理由からで、ハワイアンキルトは、古くは死者と共に埋葬されていた神聖な物でした。
現在では上記のような意味合いは薄れ、図案やモチーフなどにもバリエーションが増えて、人々に親しまれるような身近な存在となっています。
またハワイアンキルトは比較的難易度が低く、初心者にも取り掛かりやすい趣味として、年齢問わず愛されています。